育毛剤の副作用をゼロから学ぶ

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育毛剤を使う前に、「何か副作用が起こるのでは?」と、心配する人も多いでしょう。副作用は、薬を使用し、望んでいる目的に対して作用する主作用とは反対に、望んでいない作用が起こることです。では、育毛剤の副作用について一緒に考えていきましょう。

●多くの育毛剤で考えられる副作用

一般的によく知られている育毛剤であれば、副作用が起きる可能性は低いでしょうが、ゼロではありません。可能性としては、頭皮に「かゆみ」「かぶれ」「湿疹」などが起こることが考えられます。もし、それ以外にも何かいつもと違う、などの違和感があれば、すぐに使用を中止して、皮膚科の医師の診察を受けてください。

●ミノキシジルの副作用とは?

元々ミノキシジルは、高血圧の患者の経口用の治療薬に使われており、血圧を下げる働きがあります。その後、アメリカの製薬会社でミノキシジルが脱毛症を防ぎ、毛髪を発毛させる効果があることが発見されました。現在、ミノキシジルは、日本国内では、「リアップ」、海外では、「ロゲイン」という外用の育毛剤に配合されています。また、錠剤タイプのミノキシジルタブレットという育毛剤もあります。

ミノキシジルの副作用で、最も起きやすいのが毛髪部分のかゆみ、かぶれです。その他、起きる可能性はかなり低いといえますが、循環器系の異常では、血圧の低下、動悸、不整脈、心筋梗塞など、神経系の異常では、頭痛、めまい、胸痛などの副作用が起きることがあります。また、女性や未成年男性が使うことは、想定されておらず、使用が禁じられています。

●フィナステリドの副作用とは?

フィナステリドという成分は、「プロペシア」「フィンペシア」という商品名の錠剤タイプの育毛剤に含まれています。フィナステリドは、男性型脱毛症の原因とされる男性ホルモンのテストステロンの働きを抑制する作用があります。ミノキシジルと比べると、副作用で起きる症状は比較的軽いとされており、副作用を感じた人は、全体の2%というデータがあるようです。主に、胃腸の不快感、性欲減退、精子の減少、睾丸痛があるとされています。しかしながら、ほとんどの人には副作用は起きず、継続的に服用を続けることができています。ミノキシジルと同じように、未成年や女性の服用は禁止されています。

●初期脱毛

育毛剤を使い始め1ヶ月前後の副作用では、「初期脱毛」といって、抜け毛が増えることがあります。これは、ヘアサイクルと関係があると言われ、古い毛が新しく成長してきた毛に押し出されて抜けます。しかし、これは、育毛剤を使い始めた初期のもので、徐々に抜け毛が少なくなり髪の毛の量も増えてきます。

●女性が使用を控えるべき育毛剤

多くの育毛剤の中には、男性用ホルモンの働きを抑える作用があります。男性専用の育毛剤を女性が使うことで、女性の体内のホルモンバランスが崩れることが考えられます。また、妊娠中の女性が使うことで思わぬ副作用が起きることも想定されますので、注意が必要です。女性が育毛剤を使う際には、「女性が使用しても問題ないか?」を、事前にしっかり確認しましょう。

もしも、副作用が起きたら、あるいは違和感があれば、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。

●副作用が起こりやすい状況

副作用が起きてしまうのは、薬である以上は、ある程度仕方の無いことです。副作用が起こりやすい原因は次の通りです。

・育毛剤に限らず、薬や食べ物、洗剤などでアレルギー反応が起きやすい体質である。
・育毛剤の作用と、頭皮の状況が一致していない。

副作用や頭皮のトラブルが心配という人は、いま一度、自分の体の体質や頭皮の状態をチェックしたり、事前に専門の医師に相談してみましょう。

●間違った使い方で副作用が起きる

間違った使い方により、副作用が起きることもあります。よくある事例は次の通りです。

・説明書をよく読んでいない
育毛剤は、どれも同じだろうと思い、説明書を読まないことで、実は間違った使い方をしている場合があります。

・ついつい用量を超え、多めに使ってしまう
「もっとたくさん発毛させたい」と思って育毛剤の決められた用量以上に使う人がいますが、効果は変わりません。また、逆にそれが原因で副作用を招くこともありますので、注意してください。

・他の飲み物と一緒に服用する
内服薬の育毛剤を服用するときには、「水」で飲むことが基本です。コーヒーや紅茶、牛乳、お茶、ジュースと一緒に飲むことはやめましょう。実際に、グレープフルーツジュースは、薬の効き目を強めて、過剰に作用する事例が報告されています。

・錠剤タイプの育毛剤を飲酒中に服用する
体内のアルコールと一緒になることで、育毛剤の本来の作用が働かず、副作用が起きる可能性が高まります。また、作用が強まり、危険な状態に陥ることも考えられますので、絶対に避けるべきです。

・錠剤を歯で噛み砕いて飲む
錠剤は、胃で溶けて作用することを想定にされているものがあります。噛み砕くことで、薬の働きが悪くなることが考えられます。

・他の薬と併用する
他の薬を服用しているときは、育毛剤の使用を避けるのが無難です。もしも併用して使用したいということであれば、まずは、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

●副作用に関するよくある質問

「副作用の無い育毛剤はありますか?」

育毛剤には、少なからず副作用が起きることが想定されます。育毛剤や使う人の状態によって、副作用が起きる確率は異なりますが、あらかじめ確認しておきましょう。

「リアップという育毛剤を使おうかと考えていますがどうでしょうか?」

発毛の効果が認められているミノキシジルが配合されているリアップは、一般的によく知られている育毛剤です。しかしながら、ある調査によると副作用が起きる確率は、およそ10%とのことです。その多くは、かゆみやかぶれですが、まれにむくみ、めまいを起こすこともあります。

「育毛剤を使って、逆に脱毛が早まる副作用はありますか?」

育毛剤によっては、抜け毛が早まる場合もあります。育毛剤の主な作用としては、血行促進、皮脂の除去、男性ホルモンの抑制、栄養補給などがあります。よくあるトラブルでは、皮脂を取り過ぎたり、頭皮に刺激を与え、頭皮が弱まることです。自分の状況に合ったものを的確に選ぶようにしましょう。

「海外の育毛剤を試してみようと思いますが、どうでしょうか?」

「日本国内で買うより価格が安い」、「高い効果が期待できそう」などの理由で試してみる人が多いようですが、海外の育毛剤は、日本人の体に合っていない場合があります。また、海外の育毛剤は、成分や使い方の情報が英語で表示されていたり、説明が不明確の場合もあり、思わぬ副作用を起こしたりすることも考えられますので、あまりおすすめできません。


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